バスティン・ダウン・ザ・ドア
"BUSTIN' DOWN" の "BUST" は "BURST" の口語形だと思われます。普通 "BUST" といえば ”胸” を意味しますが、話言葉ではそれと同じ発音になるのです。
つまり、「打ち破る」という意味で使われています。何を打ち破るのか。それは...これまでの ”常識” とか ”しきたり” といったものです。この作品は世界サーフィン連盟(現ASP)がどのような経緯で発足し、世界大会(旧WCT)がいかなる苦難を乗り越えて開催されるようになったのかを綴るドキュメントになっています。そのために、打ち破るべき壁(DOOR)があったというのです。
作品の最後のところで、ショーン・トムソンが昔を振り返って涙を流すシーンがあります。 あの陽気なショーン・トムソンが泣くなんて。 このシーンは私にとってかなりショッキングであり、しばらくは茫然としておりました。 しかし、彼らが経験した途方もなく壮絶なドラマは、「羨ましい」という言葉では収まらないほどにスケールの大きなものです。 ただ、その1970年代前半という同じ時代を生きていたということだけが私としての自慢でしょうか。
登場人物が、まさにサーフィンの歴史となっているところも作品の魅力といえます。 近代サーフィンの父と呼ばれるデューク・カハナモクから、ケリー・スレーターの後継者と名高いジョン・ジョン・フローレンスまで。
これを見ればもう他に何もいらない、サーフィン歴史の全てがわかってしまうような作品。 それはサーフィンというスポーツだけに留まらず、サーフィン産業まで含めた大きなくくりとしてです。いやいや、すばらしい作品になっております。 是非、ご覧になってください。 ただし、あくまでもサーフィンのドキュメントであり、サーフシーンは昔の記録映像ばかりです。
- サーフィン映画は定期的に作られる
- 1978年公開の「ビッグウェンズデイ」。伝説のビッグウェイブに挑むサーファーたちを描いた本格的なストーリー映画でした。
- サーフィン動画の醍醐味
- 制作者としてはスローモーションによって映像に威厳を与えたいのでしょうが、それでサーフィンの本当の醍醐味が失われてしまうのであれば元も子もないと思います。
- 世界的サーフィンブームのきっかけ
- 世界でサーファーが増殖したキッカケを作った映画「ギジェットは15歳」。1950年代後半から60年代にかけて全米でブレイクし、サーファーがいきなり300万人まで膨れ上がったそうです。
- 宮崎県知事の初サーフィン
- 河野知事はトライアスリートらしいので、数あるマリンスポーツの中からサーフィンをメインに取り上げてくれたのかもしれません。にしても、河野知事にはもう少し上手く乗ってほしかったですね。
- パブロ・クルーズ Zero to Sixty in Five
- 1977年に公開されて爆発的ヒットとなった映画「フリーライド」のテーマ曲、パブロ・クルーズのZero to Sixty in Five。
- 1991年公開 「波の数だけ抱きしめて」
- 1950年代にはじめてサーフィンというものを知った今ではレジェンドと呼ばれる人の中には、本気でボトムにワックスを塗った人がいたそうです。
- YouTube
- YouTubeには星の数ほどサーフィン動画があります。特にアクセスの多いものではなくても、とても価値のある動画がたまにあります。