波をメイクする
この写真を見てください。 テイクオフしたばかりの彼の目前には、およそ10メートル以上の波のフェイスが出来上がっています。 このときがサーファーにとって最もワクワクする瞬間です。このあと彼はこの波をしっかり端まで乗り切りました。「波をメイクする」とは1つの波を無駄なく乗りこなすこと...だと私は思っています。であれば、とりあえず彼は「この波をメイクした」といっていいのでしょう。
先日、サーフィンEブックを買われた方から興味深い話をうかがいました。その方は言います。「最近サーフィンがつまらないんです」と。
どうしてですか?と聞くと...「日に2〜3本しかテイクオフできないんです」というお答。日に2〜3本しかテイクオフできないからサーフィンがつまらない...さて、一見もっともらしい理由に思えますが実は全く理由にはなっていません。
極端な例ですが、日本のトップレベルのサーファーがハワイのパイプラインで1本しかテイクオフできなかったなんてよく聞く話です。でも、そのサーファーは「サーフィンがつまらない」なんて絶対に言わないでしょう。なぜなら、おそらくその1本は、かけがえのない1本に違いないからです。要はその1本1本がどれだけ充実しているかどうかだと思います。
つまりは「波をメイクする」ということ。ちゃんと波をメイクできていれば、たった2〜3本しか乗れなかったからといって「サーフィンがつまらない」とは思わないはずです。それがたとえ1本だけだったとしてもです。
たった1本しか乗れないこと...って私にはたまにあります。でも、その1本が「しっかり乗れた1本」であれば心は充実しているのです。それがサーフィン、そしてそれこそがサーフィンの世界...だと思います。
コンテンツ
アップスダウン(その1)
アップス&ダウンとは、波のフェイス(面)を駆け上がったり滑り下りたりしてボードを加速させること。サーフボードは波の力を利用して前進しますが、ただ波に押されているだけではスピードに乗らないのが普通です。特に日本の波はそうであり、技をきめるのに十分なスピードを得るためにもアップス&ダウンは必要です。
カットバック(その1)
カットバックとは、サーフボードの進行方向を180度変えることです。フロントからバックサイドへ、バックからフロントサイドへ切り返します。押し寄せる波はどこまでも続いているわけではなく、波のピークを頂点として左右方向へしだいに小さくなっていき、やがて消滅します。消滅ポイントに到達する前にカットバックで方...
オフザリップ(その1)
オフザリップとは、波が今まさに崩れようとしている場所にサーフボードを当てこみ、その反動でボードを180度反転させる技です。サーフィン大会では最も高い得点が狙える技であり、飛び技が一般的となった現在でもその魅力は全く失せていません。
フローター
目の前には今にもブレイクしそうな長いリップが...そんなときトッププロたちがここぞとばかりに仕掛ける技があります。それがフローターです。波のリップを突き抜け、波の天井を駆け抜ける。まさに豪快!その一言に尽きます。
360(スリーシックスティ)
これもサーフィンビギナーや初級者にとって夢の技。第1次サーフィンブーム(80年代)のころ、この360(スリーシックスティ)という技は空想の世界でした。しかし、それも今は昔。世界のトッププロだけでなく、日本のプロサーファーでもこれを簡単にこなす時代になってきています。
エアリアル(エアー)
エアリアル(エアー)とは、波のボトムから駆け上がるエネルギーを利用して空中に舞い上がる技。しかし、着地で失敗すれば得点は付きません。自然の波は沖から岸に向けて動いているわけで、その動いているものに再び舞い降りるのは至難の技です。
ビッグウェイブ
サーフィンの基本的な魅力は、大きな波を滑り下りるという極単純なことです。それは古代サーフィンの時代から全く変わっていません。今も昔も、時代を超えて、勇敢な男たちはビッグウェイブに立ち向かっていくのです。
レールトゥーレール (Rail to Rail )
レールトゥーレールは現代サーフィン(マニューバー系サーフィン)の基本中の基本なのですが、これを改めて重要視していくことを採点という形でアナウンスしたのです。ジョエルが10点満点を叩き出したときのトップターン。フィンアウト(ボードをスライドさせて波のトップでフィンを抜く)ではなく、しっかり右のレールか...