アップスダウン

テイクオフ成功の法則



「乗ったはずの波から抜けてしまうのはなぜでしょう。」という質問をしばしばいただくことがあります。激混みのポイントでやっと掴んだ波なのに...乗れたと思った次の瞬間、その波からスルっと抜けてしまうのです。そういう経験をするのは、たいがい下に挙げるステージにいるときです。

 

 

 

 

1. テイクオフから横方向へ走れるような気がしてきた。

 

2. 完璧に横方向に走れるようになった。

 

3. ボトムターンからアップスができるようになった。

 

 

 

 

 

3つ挙げましたがその原因をグループ化すると1と3が同グループで2だけが異なります。2は要するに、波の切れ目まで突っ走ってしまって波から抜けてしまうわけです。最初のころは「あれ?抜けちゃった」とキョトンとしてしまうのですが、カットバックの必要性にすぐに気付くようになります。横に走れるようになれば(私的には)いちおう初心者脱出なのですが、波しだいでは、ほんの一瞬のショートライドで終わってしまいます。その対策としてのカットバック...プロサーファーにさえ「カットバックは難しい」と言わしめるほど。サーフィン要(かなめ)の技がカットバックなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、ここでは1と3の原因と対策を考えてみましょう。まず原因ですが、それは波というエスカレーターに乗って上の階まで行って戻ってこれなくなるから。対策としては、

 

 

■ テイクオフから横方向へ走るとき

 

       ↓

 

  エスカレーターには乗るな!

 

 

 

■ ボトムターンからアップスをしたとき

 

       ↓

 

  上の階に着く直前ですべり台に乗れ!

 

 

 

と申し上げましょう。 

 

 

 

 

波というのは前方(岸側)にある海水を後方(沖側)に押しやることで前進しているわけでして、ブレイクしてスープになってしまうまでは海水の移動が海面上で常に発生しています。サーフボード(正確にはスケッグ)が波のラインと並行になっていれば、いずれサーフボードは波のトップを超え、その裏側に行ってしまうことは容易におわかりいただけるでしょう。

 

 

勢いよく横方向へかっ飛んでいるサーファーは、一見するとサーフボードが波のトップと並行になっているかのようです。しかし実際には並行にはなっていません。わずかながらでも、そのノーズは岸側(もしくはボトム側)を向いているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繰り返しますが、横乗りに必死になったり不用意にアップスをかませるとせっかく乗ったはずの波から抜けてしまいます。これはサーフボードが海水の移動によって波のトップまで運ばれてしまったわけです。わずかながらでも、サーフボードのノーズは波のトップに対して岸側(ボトム側)に向ける意識、これが重要です。

 

 

極端に角度をつけてしまうと、すぐにボトムまで降りていってしまいます。横乗りをキープするには、左右のレールを微妙に入れたり抜いたりしてノーズの向きを調整する必要があるケースもあってけっこう難しいものです。

 

 

「上の階に着く直前ですべり台に乗れ」の部分の「すべり台」というのは、レールの切り返しを意味します。トップに向いたノーズをボトム側に軌道修正させるのですが、トップにノーズを向けた時点から行動しないと間に合いません。じわっと前足加重にしていくことから始めればいいと思います。いずれはその動きがアップス&ダウンに繋り、サーフボードを加速させることになっていきます。



コンテンツ
パワーがある波
波自体にパワーがあってライダーが加速しなくてもいいような場合には、正直なところアップスダウンをやろうと思ってもできません。
中級者もトップターンでこける
横G(横方向への重力)がないままサーフボードを傾けてしまうので、当然のごとくライダーは下に落ちてしまうわけです。
サーフボードを加速させる
ハウツー本やDVD。どれも言ってることは”前足加重”の大切さについてです。たしかにそうです、”前足加重”は大切です。しかし、それだけ?
波が止まって見える
乗れる人と乗れない人、それぞれで波を観察する場所が違っているからです。つまりは...相対的。波が掘れると、テイクオフできるのかどうかの判断に悩むものです。
レールを切り返す
ビギナーや初級者がなぜここで失敗するかといえば、後ろ足が棒立ちになるからです。後ろ足が棒立ちになると体の重心の位置が高くなって不安定になり、しかもノーズ加重になります。
サーフィン体操をしよう
これは太極拳をやっているのではありません。私が考案したサーフィンのための体操でして、アップス&ダウンの基本動作をマスターするのに効果抜群です。
ボードを加速するために
よくノウハウ本に書いてある「ボードを加速するには前足加重」というのは正確な表現ではありません。全くボードが走っていないのに前足加重しても失速を防ぐ以外に意味がないからです。
アップス&ダウン体操
アップス&ダウン体操は私が考案したサーフィン専用の体操です。簡単そうに見えますが、これがなかなか難しいのです。
週末サーファーのためのテクニック
サーフィンで一番難しいのが「いかにしてスピードを得るか」であり、プロレベルのサーファーと週末サーファーの決定的な違いがそこにあります。

 
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