サーフィンは特殊なスポーツ
スノーボード(またはスケボー)ハーフパイプのイラストを描いてみました。高得点が出る最大のポイントはエアーの高さなのですが、黄色で示した部分がとても重要で、ここで失速すると高さが出ません。
スノーボードやスケボーで高いエアーを実現するには、ヘソと両足が作る三角形が崩れないことが重要。どういうことかといえば、黄色の部分において一般的な選手は体の軸が後ろ寄りになり三角形が崩れてしまいますが、これによりブレーキがかかって失速してしまいます。一方、世界レベルの選手は崩れないのですが、これには強靭な筋力が必用なのです。スノボーやスケボーではそういった世界レベルの日本人選手がいるのに、どうしてサーフィンにはいないのでしょう。
陸上短距離(特に100メートル走)は日本人の骨盤形状からして黒人に勝つのは物理的に無理とされています。しかし、サーフィンがそうだとは思えません。水泳、そしてスノーボードには世界のトップ選手がたくさんいますので、それらを統合したようなサーフィンで日本人が世界のトップに立てないはずがないのです。
サーフィンは特殊なスポーツ。その理由の一つがこれです。スノーボードやスケボーとは決定的に違うところ。わかりますよね。フェイスを滑り降りたら、ターンしてまた同じフェイスを駆け登ります。フェイスが向かい合わせにあるスノーボードやスケボーとは決定的に違います。
これがいわゆる、サーフィンの「ボトムターン」です。「ヘソと両足が作る三角形」以前の問題として、このボトムターンで加速できるのか、それとも失速するのか。サーフィン初級者と上級者とで決定的に違うところであるし、日本人プロと世界トッププロの違いでもあります。
ボトムターンは感と経験
前のイラストと比較してください。サーフィンはフェイスが1つ(スノボーやスケボーのように対面フェイスではない)なので黄色の部分でスピードを保つためには深いボトムターンが重要になっきます。
小波やダンパーぎみの速い波では溜めたボトムターンができないので、どんなボトムターンをするのかは全て選手の感と経験にかかります。スノボーやスケボーには基本的にボトムターンはありませんし、滑るフェイスは基本的に毎回同じ。その意味で、サーフィンというスポーツは本当に特殊なのです。
- 垂直リッピングのボトムターン
- 胸の開きが12時を切る垂直リッピングを生みだしているのです。ガニ股でボトムセッティングをしてしまうと、胸を開いていくことができません。
- フルレールのボトムターン
- ヒントは頭と尻の位置関係。これ、とても重要です。これがわかってない人には本当のボトムターンはできません。
- ターンで加速する
- スピードのあるターンでは遠心力が発生しますが、しかしその遠心力を利用してさらにボードを加速させるには高い技術が必要です。
- 本物のボトムターン
- WCT開幕戦(スナッパーロックス)で優勝したブラジルのフェリペ・トリードは初戦ラウンドから絶好調でした。
- プロに見るボトムターンの失敗
- これだけ体を傾けた場合、必要なボードの傾きは赤いラインです。しかし、このときのパーコのボードは青いラインの傾きしかもっていませんでした。