垂直リッピングのボトムターン
今日から本戦がスタートしたJPSA最終戦に参戦してくれた往年の大スター、久我孝男プロのバックハンドマニューバーです。ポイントは4.20つきましたが...
ボトムターンでの大きなガニ股は今でも健在、というかこれこそが久我プロの持ち味なのです。一般的にはNGとされるガニ股を、逆に強力な武器にしてしまったというのは前代未聞であり、すごいことです。
しかし、その大胆なパフォーマンスを進化した現代サーフィンに適応させるのは、少し無理があるように見えます。時計の12時に向かってノーズを振り上げる垂直リッピングを果敢に試みるものの、もう一つ届いていませんでした。その要因がこのローンチの瞬間にあると私は確信します。
ケリースレーターと比較するのはあまりに酷ですが、違いが明確なのであえてケリーと比べてみましょう。以前書いた記事にGIF動画をアップしていましたので確認ください。
これです。これがケリーのバックサイドローンチです。この胸の開きが12時を切る垂直リッピングを生みだしているのです。久我プロのように極端なガニ股でボトムセッティングをしてしまうと、胸を開いていくことができません。
そのメカニズムについてはステップアップ版に書いていて、これは私が3Dソフトで人体図をいじっていたときに発見したことです。
コンテンツ
- サーフィンは特殊なスポーツ
- フェイスを滑り降りたらターンしてまた同じフェイスを駆け登ります。フェイスが向かい合わせにあるスノーボードやスケボーとは決定的に違います。
- フルレールのボトムターン
- ヒントは頭と尻の位置関係。これ、とても重要です。これがわかってない人には本当のボトムターンはできません。
- ターンで加速する
- スピードのあるターンでは遠心力が発生しますが、しかしその遠心力を利用してさらにボードを加速させるには高い技術が必要です。
- 本物のボトムターン
- WCT開幕戦(スナッパーロックス)で優勝したブラジルのフェリペ・トリードは初戦ラウンドから絶好調でした。
- プロに見るボトムターンの失敗
- これだけ体を傾けた場合、必要なボードの傾きは赤いラインです。しかし、このときのパーコのボードは青いラインの傾きしかもっていませんでした。