トップアプローチの秘訣
世界のトップサーファーが波のボトムから、いかにしてトップめがけて上がっていくかを観察してください。このテクニックはアップス&ダウンやプルアウトの延長線上にあるのですが、これができるかどうかでサーフィンのレベルに雲泥の差が生まれます。
クイックにトップに上がるには、テールを踏むと同時に波側のレールを深く入れていきます。フロントサイドはなんとかできても、バックサイドはなかなか難しいものです。どうしてでしょうか。私はこの半年余り、この問題を解決する方法をずっと探っていました。
そしてようやくその答えがクリアになったのです。上級者は無意識に、本能にまかせてやっていること。しかし、そこには間違いなく定石があります。これを外したらダメ、という定石です。
私は新しい理論を確立するたびに新しいサーフィン用語を生み出してきましたが、今回もそうです。トップアプローチに関する新しい用語であり、アクションを3つのステップに分けてそれぞれ以下のように命名しました。
1.エントリー
2.セッティング
3.ローンチ
1と2はイメージできても、3が???だと思います。ローンチ(launch)とは「発射する」という意味であって、波のトップに向かって伸びあがるステップを指しています。
このローンチを成功させるには、その前のセッティングがとても重要です。私はこのセッティングというステップに気づくことで、トップアプローチ理論を完成させることができました。その内容は、またまた目からウロコだと思います。これまで誰も考えなかったことなのですから。
サーフィン・ステップアップ・プログラムでは、トップアプローチを含めたオフザリップ理論を3次元グラフィックで解説しています。そして今回、トップアプローチの秘訣を新たに執筆して追加しました。
- 体の軸とテールの蹴り
- ボードをクルっと回すには、ボードと体の軸を常に垂直に保つこと。テールを蹴る動作の反動で上体が動いてしまいます。
- バックサイドはGを意識する
- Gはどうやって生み出されるのかを考えてみてください。それはスピードです。要は自分のスピードに合ったサーフィンをすることが大事なのです。
- ステップバック
- クイックなカットバックをするとき、リップにアプローチするとき、スタンスは広くなります。逆に波のトップから降りるとき、ボードを加速するときにはスタンスは狭くなります。
- クローズド・セクションでの技
- ローラーコースターを見栄えのする形でまとめるのは超難しいのです。というのは、スープに乗り上げてしまうとボードが失速してしまって高く上がれないからです。
- バックサイドのリッピング
- カリッサ・ムーア(ハワイ)のバックサイドのリッピング。彼女のマニューバーは基本に忠実であり、私たちにとって本当に参考になります。
- JPSA女子のトップアクション
- 上体をかぶせながらのトップアクションというのはサーフィン特有です。一般的にスケートボードではそれをしません。
- 世界レベルをマネしてはいけない
- サーフィンのイメージ的には絶対にデーンなので、デーンのようなアクションをマネしてやってしまいがちです。しかし、それが大きな落とし穴です。そのイメージをもったまま練習してもぜんぜん上手くいきません。
- 垂直リッピングと後ろ足の蹴り
- 垂直リッピングのためにはそれ以外の最後の一押しが必用です。それは後ろ足の蹴り。
- バックハンドの方がリップは簡単?
- バックサイドの難しいのはリップ以前です。つまり、波のトップに上がるテクニック。