JPSA女子のトップアクション
JPSAツアー2013(女子ショート)の最終戦では、プロトライアルから勝ち上がった田代凪沙(なぎさ)が年間チャンピオンを2年連続で手にしたベテランの庵原美穂プロを決勝で破り優勝しました。たしかに田代凪沙アマはその若さを活かした元気のいいサーフィンをしていたのですが...
これは田代凪沙アマが準決勝のときにトップアクションで失敗したところ。彼女の演技には総じてこのような背中側に落ちるシーンが多く、それは彼女のサーフィンスタイルに起因しています。
トップへの上がり方はプロレベルに達しています。が、しかし
問題は次の瞬間です。上体のかぶせがないので体全体が宙に浮いてしまっています。要するに、両足が地(ボード)に付いていないのです。
当然のごとく、お尻から(背中側から)落ちることになります。
これは5.50ポイントを出した演技ですが、やはりトップアクションには安定感がありません。たまたま落ちなかったのでこの点数がつきました。彼女が決勝で庵原美穂プロに勝てたのは、たんに波運が良かったからです。
やっぱり決勝でも同じような失敗シーンがありました。
これは庵原美穂プロが準決勝で7.75ポイントを出した演技です。トップアクションは安定しており、背中側に落ちそうな気配は全くありません。それは上体のかぶせがしっかりかかっているからです。
トップに上がりながら上体をかぶせていく。
ボードを回しながらも、やはり上体は下半身(両足)にしっかりかぶさっています。
上体をかぶせながらのトップアクションというのはサーフィン特有です。一般的にスケートボードではそれをしません。そして実を言えば、世界のトッププロサーファーもその次元にはいません。はっきり言って、一定レベル以下のサーフィンでは絶対に欠かせない技術なのです。その意味で、私たちはJPSAの選手をお手本にすればいいということになります。なお、このテクニックの詳細はこちらに書いています。 ⇒ ステップアップ・プログラム
- 体の軸とテールの蹴り
- ボードをクルっと回すには、ボードと体の軸を常に垂直に保つこと。テールを蹴る動作の反動で上体が動いてしまいます。
- バックサイドはGを意識する
- Gはどうやって生み出されるのかを考えてみてください。それはスピードです。要は自分のスピードに合ったサーフィンをすることが大事なのです。
- ステップバック
- クイックなカットバックをするとき、リップにアプローチするとき、スタンスは広くなります。逆に波のトップから降りるとき、ボードを加速するときにはスタンスは狭くなります。
- トップアプローチの秘訣
- 上級者は無意識に、本能にまかせてやっていること。しかし、そこには間違いなく定石があります。これを外したらダメ、という定石です。
- クローズド・セクションでの技
- ローラーコースターを見栄えのする形でまとめるのは超難しいのです。というのは、スープに乗り上げてしまうとボードが失速してしまって高く上がれないからです。
- バックサイドのリッピング
- カリッサ・ムーア(ハワイ)のバックサイドのリッピング。彼女のマニューバーは基本に忠実であり、私たちにとって本当に参考になります。
- 世界レベルをマネしてはいけない
- サーフィンのイメージ的には絶対にデーンなので、デーンのようなアクションをマネしてやってしまいがちです。しかし、それが大きな落とし穴です。そのイメージをもったまま練習してもぜんぜん上手くいきません。
- 垂直リッピングと後ろ足の蹴り
- 垂直リッピングのためにはそれ以外の最後の一押しが必用です。それは後ろ足の蹴り。
- バックハンドの方がリップは簡単?
- バックサイドの難しいのはリップ以前です。つまり、波のトップに上がるテクニック。