テイクオフは緊張します
福岡の修一さん(33歳)からテイクオフの写真が送られてきました。顔の表情から修一さんの緊張感が伝わってきます。ガチガチに緊張していますね。どうして緊張してしまうのでしょう。
サーフィンは釣りに似ているという話を以前したと思います。釣りは魚が食いつくのを辛抱強く待つものですが、サーフィンは乗れそうな波が自分のところにやってくるのを辛抱強く待ちます。そして、やっとそのときがやってくると...
頭が真っ白になってしまいます。緊張して、それまで学習してきたことをすっかり忘れてしまいます。次の波ではあーしようこーしようと考えていたことが全部すっ飛んでしまいます。
そしてテイクオフ。自分では記憶にないのだけれど、実際は完全に下を向いてしまっているのです。だから自分が今乗った波がどんな波だったのか、自分はどんなライディングをしたのか、全くわからないのです。
それは当然です。見ていなかったのですから。ずっと自分の足元だけを見ていたのですから。脳に記録された映像はそれだけなのですから。
テイクオフで緊張しないために
2005年に千葉県のマリブで開催されたASP世界大会(現WT)、決勝戦の映像です。まだ日本にサーフィンブームの匂いが残っていた時期で、経済的にも今よりずっとマシだったから大会を誘致できたのでしょう。
ファイナリストはケリー・スレーターとアンディ・アイアンズという、当時ASPの二枚看板ですからギャラリーの興奮は絶頂に達したに違いありません。この映像は一般の人がホームビデオで撮影したもののようで、全くカット編集してないのが魅力です。と言いますのも...
編集されている映像では、スーパースター達がいかにして波をキャッチするのかといった一般サーファーにとって参考になる動きがカットされるのが普通です。しかしこの映像は全ての動きをライブ感覚で、しかも上から見ることができるので彼らの動きがよくわかります。
注目は開始から1分30秒後、5分30秒後、8分30秒後です。ケリー・スレーターがどんな動きの中で波をキャッチし、テイクオフしていくかがよく見てとれます。
けっして同じところに留まっていません。常にパドリングをして周辺を巡回し、波の状況を探っています。サーフィン初心者がまず見習いたいのはそこです。ずっと同じ場所で波待ちをしないということ。
同じ場所に居て、いい波が勝手に自分のところにやってくるのをジッと待っていませんか。それだと魚釣りと同じになってしまいます。いざ波がやってきたときには体が硬直してしまっていて、思うように動かないので頭も真っ白になってしまいます。自分から常に波を追いかけること。それはテイクオフで緊張しない方法でもあります。
- 3種類のテイクオフ
- サーフィンのテイクオフのやり方には大きく分けて3種類あるのですが、それを解説できるインストラクターはあまりいません。
- テイクオフの瞬間を感動する
- ビッグウェイブのリップからボトムめがけてジェットコースターのように滑り降りるときの加速感といったら筆舌できません。
- 両手を置く場所、前足を置く場所
- テイクオフでボードに前足を置く位置ですが、これの最終的な目標は両手の隙間です。逆に言えば、「テイクオフのときは前足を置く位置に両手をつく」ということになります。
- なぜ下を見てしまうのか
- サーフィン初心者、初級者が短期間でみるみる上達するサーフィンの極意をここに公開いたします。誰も言わない、誰も書かないサーフィンの理論は必見です。
- 波のフェイスを見る
- テイクオフのときは最も不安定な状態にありますので、並行感覚を保つために進行方向(波のフェイス)をしっかり見ることが重要です。
- なぜ波に置いていかれるのか
- 波がまだ切り立っていない場合には、波がボードに追いついた瞬間にスイッチを切り替えてノーズ加重にしなければなりません。
- 腰の高さを意識する
- 立つときにはなるべく腰の位置を低くしなければいけません。サーフィン初心者は例外なく腰の位置が高いです。
- 波のピークを捕まえる
- パドリングするけど波のピークで乗れない人の場合、サーフボードの操作能力の問題もあります。自分の手足のようにサーフボードを操れるかどうか。
- テイクオフが速い者が勝つ
- 混んだポイントでは誰が最初に立つかの競争です。ビーチフラッグのようなもんかもしれません。そんなテンションでみんなサーフィンしています。
- 前乗りされない方法
- 「こいつ来る」と相手に思わせ、さらには畏怖させることができます。赤い彗星のシャーではありませんが、たとえ無言でもその存在感はバッチリです。
- PDCAのサイクル
- 「PDCAのサイクル」というのはつまりこの4つの工程を延々と繰り返して最終的に自分の定めた目標に近づいていく手法なのです。
- バタ足でテイクオフする
- 冷静に考えてみれば、バタ足による推進力アップよりもボードが左右に揺れることによる抵抗増加というデメリットのほうが大きいのです。
- 波に置いていかれないために
- サーフィン初級者が波に置いていかれるのはこの瞬間なので、ここを集中的に練習することから始めてください。
- 前足を出す重要性
- サーフィンにもスランプがあります。どんなスポーツでも「前回できていたことが今日はできない」ということはありますが、サーフィンでテイクオフができなくなるというのはかなりショッキング。
- 両手を離すタイミング
- たしかに「両手を離すタイミング」はけっこう難しいのです。しかし結論から言えば、あまり大した問題ではありません。大事なのは、ボードが失速しないように立つことだからです。