ジョンジョンの神業ターンを解析する
ジョンジョン・フローレンス(ハワイ)のカービングターン。背中側に倒れ込むスタイルはすっかりジョンジョンのトレードマークとなった感があります。このところの快進撃はこのターンの成功率がグンと上がったことが要因として大きいと思います。
一方、こちらは女子ナンバーワンのテクニシャンであるステファニー・ギルモア(オーストラリア)のカービングターン。これが一般的なターンでして、見本としては文句なしです。男子プロでもなかなかこのレベルの選手は少ないので、上のジョンジョンのターンがいかに神がかりなものかがわかります。
黄色(垂直)とピンク(上半身の傾き)のラインを引いてみました。背中側へのターンですが、上半身は前のめりになっているのがミソです。ビギナーや万年ビギナーのサーファーは上半身を背中側に倒してしまうので失敗してしまいます。
では、神業ターンはどうでしょうか。上半身は背中側に倒れていますが、少しだけです。場合よっては垂直くらいでして、つまり、それによって体を後ろに倒すターン(レイバック)に見えてしまうわけです。
というわけで、おわかりいただいたでしょうか。上半身を前のめりにしない背中側へのターンは神業なのです。それができるサーファーは世界トップレベルなのであって、日本人選手ではまだ見たことがありません。
この記事に辿り着いた読者のみなさんはラッキーでした。このことに気づいている人が何人いるのか。もちろんスクールや書籍では語られない内容です。
コンテンツ
- バックサイド垂直リップ
- 一般的なバックサイドターンの基本は「レールを入れて進行方向を見る」ですが、鋭角なターンが求められる今のプロサーフィンではプラスアルファが必要です。
- フィンを抜くよりレールを入れろ
- フィンを抜くと派手だし難易度が高いように見えますが、実はレールを使った大きなターンの方がはるかに難しいし、世界レベルのジャッジは後者でないと高い点数を付けません。
- カッコ悪いサーフィン
- 体幹が完璧であれば体の軸はブレないし、すなわち頭も傾かないのです。演技のどこを切り取っても頭は垂直に立っていて微動だにしないのが理想。
- 波にはボーナスセクションがある
- 波がたるくなってきて、また波が切り立ってくる。このエリアのことをボーナスセクションと呼びます。
- クローズドスタンスできめる!
- なぜジョンジョンのターンが美しくてカッコいいのかといえば、それはターンの最中もしっかりクローズドスタンス(内股)だからです。