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テイクオフ成功の法則



ジョーディ・スミス








ジョーディ・スミスが9.77を出したライディングです。ジョーディは私の最も好きなサーファーでして、190センチ近い体格から生みだされるパワフルな演技は本当に見ごたえがあります。といっても実際にこの目で見たことがないので、いつかは生のジョーディを見てみたいものです。

 

 

これだけの重量級にもかかわらずジョーディはエアーも器用にこなします。物理的にはとても信じられないのですが、あの巨体が蝶のように宙に舞うシーンは幻想的ですらあります。

 

 

でもやはりジョーディの真骨頂はパワーサーフィンです。JJやガブリエルといったグロム上がりの新人たちがエアーで簡単に高得点を叩きだしてしまうことに興行としての危機感を持ったのでしょうか。古くからのサーフィンファンに飽きられないよう、ASPがたしかにパワーサーフィンへの回帰を意図しているとすれば、ジョーディにとって今年はチャンスです。

10点満点に求められる要素

 

2016年WCTの第6戦、ジェフリーズベイ(南アフリカ)大会。これはラウンド3で地元ローカルのジョーディが9.50ポイントを出した演技でして、6つの技を繰り出していますが、この中でポイントとして加点されているのは計4つです。

 

 

バーチカルのリッピング → カービングのターン → レイバックのスラッシュ → (カットバック) → (トップターン) → ロールインでフィニッシュ

 

 

カッコ内の技が加点されない技。これは加点される技を繰り出すためのトリミング(スピードと波の位置調整)として行われています。このジョーディの演技はまさしく世界レベルの模範といえるでしょう。多種多様な技、そして流れるようなフロー。無駄が一切ない、みごとで完璧な演技になっています。

 

 

 

 

サーフィンライフ誌の記事には「その波で、それ以上の演技ができないというのが10点満点」とあります。たしかに、このジョーディの演技は「その波での最高の演技」だったかもしれません。しかし、だから10点満点というのは安直すぎます。

 

サーフィンの採点は臨機応変なのです。波のサイズ、パワー、そして出場者のレベルによって、その場その場で10点満点に求められる要素は変わります。マックス頭オーバーの波が来ているときにヒザ波で最高の演技をしても絶対に10点満点はでません。そのことを誌はスッ飛ばして話を展開しています。10点をつけなかったジャッジ(審判員)は、もしかしたら波のサイズとか、最後のエアーの高さとか、に微妙な物足りなさを感じていたのかもしれません。いずれにせよ、高度な演技が次から次だった本大会における10点満点のハードルは相当に高かったのは間違いありません。

 



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