自分のサーフィンは見えない
人の記憶というものは不確かで虚飾だらけで、当の本人に都合のいいように作られるのです。昔とても感動して観た映画やテレビ番組を今になって再び観ると「え?こんなんだったのか」と愕然とすることがあります。つまり、自分の中で自分の理想形に作品を作り直しているのです。あまりに記憶と違う場面があると、それが許せなくて感傷的にさえなってしまいます。
そしてサーフィンでもそんな”記憶のねつ造”が起きています。自分のライディングをビデオに撮ってひどく落ち込むというのは極普通ですが、それは自分のイメージ(自分の記憶)とビデオ動画があまりにも乖離しているからです。ここで深いボトムターンをして、そして一気にトップに上がって豪快なリッピング! ところがビデオには一切そんなシーンはありません。「あれ、あのライディングを撮ってくれなかったの?」と撮影者を責めてみたり。撮影者は「これがそれだよ」と声を荒げます。そう言われて見るのは、小さなアップスだったりします。
もっと問題なのは、サーファーどうしの衝突事故です。「あっちがぶつかってきた」と両者そう思っています。ほとんどのケースはそうです。別にウソをついているわけではありません。「絶対にあっちが悪い」と本心で思っているのです。どちらも自分の都合のいいように記憶を作ってしまうから。真相を明らかにするにはビデオを撮って検証しなければいけません。少なくともその事故を客観的に見ていた第三者が必用です。
車の事故なら警察がちゃんと現場検証してくれるのですが。結局は立場の弱い一方が泣き寝入りするしかありません。それはサーフィン初心者やビジターサーファーのことです。「サーフィンは上手い方が常に正しい」とされるのは、それがゆえです。サーフィンの世界はとてもすばらしく、とても不合理なもの。1日でも早く、少しでも上手くなるしかありません。
- サーファーと薬物
- サーフィンには”快感”という言葉が付きものです。 しかし、その快感をもっと高める物、その延長線上にある物に手を出してはいけません。
- 最高のお手本が真近に
- サーフィンというスポーツは非常に特殊な環境にあります。最近サーフィンを始めたという初心者がトッププロと同じ場所で練習している実態がそうです。
- やわらの道
- 「とにかく海に入ること」というのがよくいるサーフィン指導者の言葉です。それだと柔術の先生と同じではありませんか。なにごとも合理性を追及することは大事です。
- サーフィンは安全なスポーツ
- それに比べサーフィンは実に安全なスポーツです。しかし、油断をしていると大怪我をすることだってあります。
- サーフボード洗いますか
- 「サーフボードは水で洗っておかないと劣化の原因になる」と言う人もいます。私が水洗いするのを止めてから数年経ちますが、そのような傾向は今のところまったく見られません。
- サーフィンすると風邪をひかない
- 体温が一度下がると免疫力は三〇%も低下するといいますから事態は深刻です。実は私は若いころ、平熱が35度台という低体温だったのです。
- サーフィンが五輪種目になったら
- どうしてドーピングを黙認するのか疑問に思われるでしょう。なぜなら、それがショー・ビジネスだからです。
- この世で最も感動的な遊び
- 別荘の敷地にはプライベートビーチまである。しかし、サーフィンできそうな気配は全くありませんでした。私たちにとって、それは「死んでるビーチ」だったのです。