世界一美しいカービングターン
ハワイのノースショアでは三大大会(トリプルクラウン)が始まりました。まず、ハレイワ(ハワイアンプロ)で今年念願のワールドチャンピオンを獲得したジョンジョン・フローレンスが優勝しました。
ジョンジョンが見せる180度のターンはレイバックしているのですが、これが実に美しいのです。ハレイワでも存分にその技を披露してくれましたので、分析してみましょう。
SQ01 ボードのボトムは完全に波のフェイス(壁)に張り付いています。
SQ02 垂直に立てた上半身を軸にして回転させています。
SQ03 フィニッシュとして後ろ足を蹴りだし、ボードの向きを180度変えました。
レイバックとは「倒れ込む」という意味であり、ジョンジョンのターンはまさに背中側に倒れ込んでいるように見えます。しかし、こうやって冷静に分析してみると安易にそういうふうには言えません。
SQ01ではサーフィンの基本に忠実に、上半身の軸は垂直に立っています。そして、その軸を回転させているんですね(SQ02)。上半身と下半身が90度曲がっているために、ボードが回転すると背中側に倒れ込んでいるように見えるのです。
日本人のプロでも最近ではレイバックでターンをしてくる選手がいますが、それは一か八かの賭けにしか見えません。成功すればラッキー...みたいな。ジョンジョンの技は基本を踏み外していないので、確実にキメることができるのだと思います。
コンテンツ
- 波のフェイスを削る
- ジョーディの体は波と一体化しているように見えます。「進行方向を見る」といった本来のセオリーなどこの際全く意味を持ちません。
- 失速しないサーフィン
- ジョンジョンは波のトップでもしっかりとレールを波のフェイスに入れています。ボトムターンでフロントサイドのレールを入れ、トップでバックサイドのレールに切り替えているのです。
- レイバックのカービング、スナップターン
- 失敗の多くの原因は上体を後ろに倒してしまうことにあります。つまり、レイバックしてしまっているのです。ターンするには体を倒さないといけないという固定観念があるからです。
- 究極サーフィンは人馬一体
- 「人馬一体」という言葉がありますが、究極的にはサーフィンもそれが到達地点であることは間違いないはずです。
- カットバックとカービングは違う
- カットバックとカービングはアマチュアや国内のプロの試合を見ていると判別が曖昧であり、その区別が明確ではありません。
- レールサーフィンとパワーサーフィン
- 村上舜プロと小川直久プロの戦いは新しいサーフィンと古いサーフィンを確認する意味でとても貴重なものでした。
- カービングと手足の長さ
- 魅せるサーファーは手足が長い。これは生まれ持ったものですので、残念ながらどうしようもありません。