漕ぐ波と押してくる波
サーフィンで「漕ぐ」というとみなさんはパドリングのことだと思われるようですが、私が言う「漕ぐ」の意味はアップスダウンでボードを加速させることです。波がたるくなったセクションでボードを上下に激しく動かすことをパンピングと言いますが、あれも「漕ぐ」の一つです。「しごく」とも言いますね。
子供のころブランコで立ち漕ぎをしたことあるでしょう。あれで言うところの「漕ぐ」なんです。サーフボードを加速していく感覚は、まさしくブランコを立ち漕きで加速する感覚と同じです。
一方で、漕ぐ必要のない波というのがあります。漕がなくても波がボードをガンガン押してくれるので、立っているだけで加速していきます。そのような波は日本では稀でして、そうとは知らずに「押してくる波」に乗ってしまったときには慌ててしまいます。
私たちはいつも漕ぐ波に乗っているので、ボトムターンも漕ぎながらやっているのです。つまり、アップスダウンの流れでやってしまっています。しかし、そのやり方は押してくる波では通用しません。押してくる波ではアップスダウンは必要なく、ボトムターンはレールを入れていくための体重移動だけに集中しなければいけません。
いつもよりパワーのある波に乗ったときは「漕ぐ波」なのか、それとも「押してくる波」なのかを識別しましょう。この両者の区別をせずに適当に乗ってしまうと、ただ横に走って終わり...になってしまいます。
ハワイ、ノースショアの最北端にあるタートルベイは比較的穏やかな波として初級者にも勧められています。しかし、実際に波に乗ってみると日本の波とはぜんぜん違います。それはまさしく「押してくる波」なのです。
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