大会ごとに期待される演技がある
WT第2戦ベルズビーチ大会のラウンド3でジョエル・パーキンソンが見せたロングチューブライディングです。この演技の前にジョエルは10点満点を出しており、観衆の全員がこの演技も10点満点だと確信しました。
対戦相手のラオーニ・モンテイロに逆転するために必要な点数は9.17だったので、つまりこれでジョエルがこの勝負に勝ったと思ったのです。しかし、実際に出た点数は9.10でした。わずか0.07ポイント届かず、ジョエルはラウンド3で姿を消したのです。この採点が大ブーイングだったのは当然でして、いまだになぜあれが9.10という中途半端なものになったかの説明がありません。
ただ一つ言えることは、WTの大会には各大会ごとに「期待される演技がある」ということです。最もわかりやすいのは最終戦であるパイプラインマスターズです。あの大会でいくらすごいカービングターンやバーチカルリッピングをしてもダメです。求められているのは、より深くてより長いチューブライディングなのですから。
で、このベルズビーチで求められたのは何なのか。昨年は他の選手がエアーなど派手な技を連発する中で、ミック・ファニングがとても地味なサーフィンで優勝したことを思い出します。というわけで、それは間違いなくパイプラインマスターズとは全く別のもの。カービングターンやバーチカルリッピング...
コンテンツ
- WCTは何がすごいのか
- デスーザにはそれがありません。この澱み(よどみ)のない演技こそが世界レベルのサーフィンなのです。
- 波を取るための壮絶なる戦い
- 見た目は華やかでも過酷なまでに弱肉強食。普段は「いい人」でも試合では「悪人」にでもなる覚悟がないと勝てないといいます。
- テイクオフ優先権
- 1本乗った選手がもう片方の選手が乗る前にブレイクポイントに戻れななかった場合にはプライオリティ争奪戦となってしまいます。
- 優越感と屈辱のゼッケン
- 選手には背番号32がついているのですが、サーフィン大会でのゼッケンはジャージの色のはず。では、この背番号には何の意味があるのか...
- WCTの現場 〜 サーフィン審判員
- 審査員(ジャッジ)の手元にはデジタル機器があるものの、どうやら自分のつけた点数を入力してデータを送るだけのもののようです。
- プライオリティーとインターフェアランス
- 波のピークは両者の中間だったので、タティアナはライトに、そして自分にはプライオリティーはないけれどレフトに行けると判断しました。
- レッドブル、サーフチーム
- ご存じのとおり、レッドブルはサーフィンだけでなくあらゆる人気スポーツでスポンサーになっています。
- サーフィンのマイヨ・ジョーヌ
- そんな伝統あるマイヨ・ジョーヌのアイディアを、世界プロサーフィン連盟(ASP)が今年から採用しています。
- むちうち症になったビッグウェーバー
- 胸肩の波でも背中から落ちると衝撃で首を痛めることがありますが、こんな化け物のような波でやたれたら、普通の人間なら首の骨が折れて即死かもしれません。
- WCTサーファーの背番号
- ジョエル・パーキンソンがラウンド3に向かうところで、ジャージの背には81とあります。いったいこの番号、何だと思いますか。