ホバリングで横方向へのテイクオフ
後ろから迫ってきた波が掘れ上がった瞬間にサーフボードを横に向けようものなら、普通に考えれば板が波のフェイスにめくられて転覆してしまいそうだからです。そして実際にトライしてみるわけですが、やはり想像したとおりのことが起きてしまう。最初から横に滑りだすなんて、とてもできっこない?
そもそも、なぜ真横にパドリングできるのか。これが疑問の方は、こう考えてみてください。テイクオフ前とテイクオフ後で変わっている点は、ライダーの姿勢だけ。そうです、腹ばいになっているか、立っているかの違いです。腹ばいになっているからサーフボードが波にめくられる...というのは逆におかしな話であることに気づくでしょう。
ホバリングは準テイクオフの状態です。腹ばいになったまま波を滑っています。ホバリングをマスターすることで、横方向へのテイクオフがすんなりできるようになります。
ショートボードのボトムターン
愛知からサーフトリップに来てくださったケンシローさんです。ホームポイントは伊良湖ですが、サーフィンを始めて6年も経つのにロングライドの経験が1度もないらしいのです。それは伊良湖の波質の問題なのか、それとも別に原因があるのか。ケンシローさんをご案内したのは青島こどもの国ポイント。
サイズはコシハラでしたがこの私もロングライドできないようなダンパー気味の難しいブレイクでした。ロングライドできない原因を探るのは無理かなと思っていましたが、彼のテイクオフを数回見ただけで原因がわかりました。
ケンシローさんはショートボードに乗っているのにショートボードの乗り方をしていなかったのです。そう、それはロングボードの乗り方でした。波のサイズがコシ〜ハラのとき最も顕著になるのですが、キーワードは「ボトムターン」。特にショートボードではホバリングで横へ走っておき、テイクオフからボトムターンへとつなげるのがセオリーです。
これは改良後のケンシローさんのテイクオフです。ロングライドはできませんでしたが、だいぶショートボードサーフィンになってきました。
小波や速い波でのテイクオフ
先日紹介した横浜のアキラさん。波が小さくてサーフィンできるかどうか不安でしたが、その懸念を払拭するようにバンバン乗っていました。この画像はホバリングしているところ。進行方向にはキレいに張ったフェイスが...
しかしテイクオフしたと思ったら、あのキレいなフェイスは完全に閉じてしまっています。いつまで見ていても同じことの繰り返し。
そこで私が一言アドバイスしてみたところ、ご覧のとおりのライディングが一発で出来てしまいました。原因と対策の教材を作りましたので欲しい方はご連絡ください。サーフィンDVDを購入いただいた方はすぐに見れますので追加教材ページを確認ください。
- ホバリングの定義
- ホバリングとは基本的には「ボードが自力走行を始めて両手がパドリングから解放された状態」ですが、もう一歩進めて「両手をボードの上に置いた状態」というのが実用的な意味になります。
- ホバリングの重要性
- テイクオフに関しては飛ばしてはならないステップがあります。それを飛ばすからテイクオフできない...波に乗れないと言った方が正確。それがホバリング。
- プッシュアップ・ホバリング
- テイクオフのステップ2は...プッシュアップ・ホバリング。足ではなくて腕でボードの上に立っている状態ですが、これができればテイクオフはほぼ完成しています。
- スープライディングで上達する
- マサさん(東京都 32歳)にスープライディングの仕方を指導させていただきました。これはプッシュアップ・ホバリングの基礎練習です。
- テイクオフは遅くてもOK
- コッシーさんのテイクオフ動作はゆっくりなのですが、そのスローアクションは全くハンディになってなかったのです。しっかりと波をキャッチし、波の中腹でホバリング。
- バランスボードでホバリング練習
- 「とにかく立てばいい」ではなく、サーフィンの奥深さを感じながら練習してみてください。ミスターテイクオフを使えばそれができます。
- ボードをフラットに保つ
- 波の角度に合わせようとしてはいけません。特にビギナーはそうなのですが、その意識があるからパーリングするのです。あくまでもサーフボードはフラット。
- 最初に鍛えるべきは背筋
- これまでも記事に書いているように、サーフィン初心者や初級者がパドル筋強化のために水泳やチューブ引きをやるのは逆効果です。