サーフィンテイクオフ

テイクオフ成功の法則



ホバリングという言葉の定義

単語の数は多ければ多いほど会話や文章の内容が奥深くなり、かつシンプルでわかりやすい表現ができるものです。たとえば「サーフボード」という言葉ですが、もしこの単語がなかったとしたら「海に浮かべて波に乗るために作られた発泡スチロールみたいな板状の素材を樹脂で固めたもの」と表現しなければならず、これでは意思のやりとりが非常にやっかいになります。

 

 

サーフィンには多くの用語がありますが、私は自分で考えたものをみなさんに提供しています。「テイクオフ・スレッシホールド」や「テイクオフ・マージン」がそうであり、「ホバリング」もそうです。

 

 

 

 

 

これはケリー・スレーターのテイクオフシーンですが、この状態を私は「ホバリング」と名付けることにしました。「ホバリング」というのはヘリコプターが空中で静止することを一般に言いますが、その状態に似ているのでこの言葉がピッタリだと思ったのです。どうして無理やり名前をつける必要があったのかといえば、このテイクオフに入る前の姿勢はサーフィン初心者や初級者にとって、ものすごく重要だからです。このホバリングさえできればテイクオフ成功率は100パーセントに近くなりますし、横乗りもできたと同然です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで「ホバリング」という言葉の意味をちゃんと定義しておきます。ホバリングとは基本的には「ボードが自力走行を始めて両手がパドリングから解放された状態」ですが、もう一歩進めて「両手をボードの上に置いた状態」というのが実用的な意味になります。

 

 

 

これはミスターテイクオフ(EVOシリーズ)を使ったテイクオフ練習ですが、上の2コマがホバリングです。

 

 

 

 

 

 

細かく定義すると、最初に両手をボードについた状態が「プローン・ホバリング」で、次に両腕を伸ばして上体を持ち上げた状態が「プッシュアップ・ホバリング」です。プッシュアップ・ホバリングのときに進行方向に視線をやって波のフェイスが見えるようなら、もう横乗りができたのと同じことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後のコマのように、ミスターテイクオフを使えば立つと同時にボードを傾けるアクションが練習できるので、すぐに実際の波で効果を発揮します。

「ホバリング」と私が命名した理由

ミスターテイクオフの到着、心待ちにしています。ちなみに土日曜と●●で入りましたが、相変わらずのセット波の恐怖心がぬぐえず、うな垂れて帰ってきました。

 

土曜は頭サイズある掘れているものの面はクリーンな波。自分よりも10歳以上の年上のおじさんサーファーがレール入れながらきわどいテイクオフを決めてくるのをみて、「歳ではない、スキルとキモチだなー」と感じています。

 

週末サーファー初めて10年たってもまだ4級レベルで、1回のサーフィンで技が入るのは1,2回を3年も経過しております。ミスターテイクオフで変われるキッカケになれればと思っています。

 

よろしくお願いします。

 

 

千葉のサイモンさんからメールをいただきました。たしかに、ミスターテイクオフはテイクオフに必要な筋力とバランス感覚を効率よく向上させる秘密兵器です。と、前置きした上で申し上げます。

 

 

掘れた波に乗るための最大のポイントは波が掘れるより前、もしくは同時にホバリングに入ることです。また、波が掘れて恐怖を感じるのはホバリングに入っていないからだとも言えます。ホバリングに入っていないボードは波に巻き上げられてしまいますが、入っているボードは巻き上げられてリップから掃き出されることはありません。だから安心感があるし、どんなに掘れていても「いける」確信が持てます。

 

 

波がボードを巻き上げる速度、そしてボードが波を滑り落ちる速度がイコールとなって相対速度はゼロになります。波のフェイスでボードが静止しているように見えるのはそのためです。「ホバリング」と私が命名した理由が少し理解できたでしょうか。

 

 

私たちは「掘れた波にどうすればテイクオフできるか」ばかりに注目してしまいますが、本当の目の付けどころはそういうことではありません。どうすればホバリングに入れるのか。それが私たちの課題なのです。



コンテンツ
ホバリングの重要性
テイクオフに関しては飛ばしてはならないステップがあります。それを飛ばすからテイクオフできない...波に乗れないと言った方が正確。それがホバリング。
プッシュアップ・ホバリング
テイクオフのステップ2は...プッシュアップ・ホバリング。足ではなくて腕でボードの上に立っている状態ですが、これができればテイクオフはほぼ完成しています。
スープライディングで上達する
マサさん(東京都 32歳)にスープライディングの仕方を指導させていただきました。これはプッシュアップ・ホバリングの基礎練習です。
横方向へのテイクオフ
なぜ真横にパドリングできるのか。テイクオフ前とテイクオフ後で変わっている点は、ライダーが腹ばいになっているか、立っているかの違いです。
テイクオフは遅くてもOK
コッシーさんのテイクオフ動作はゆっくりなのですが、そのスローアクションは全くハンディになってなかったのです。しっかりと波をキャッチし、波の中腹でホバリング。
バランスボードでホバリング練習
「とにかく立てばいい」ではなく、サーフィンの奥深さを感じながら練習してみてください。ミスターテイクオフを使えばそれができます。
ボードをフラットに保つ
波の角度に合わせようとしてはいけません。特にビギナーはそうなのですが、その意識があるからパーリングするのです。あくまでもサーフボードはフラット。
最初に鍛えるべきは背筋
これまでも記事に書いているように、サーフィン初心者や初級者がパドル筋強化のために水泳やチューブ引きをやるのは逆効果です。

 
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