テイクオフの動作はゆっくりでもＯＫ
こんにちは。愛知県の●●●と申します。テイクオフが速くなるためにはどの様な練習をやれば良いのでしょうか？ ボードが滑り出すタイミングを覚える事だとは思ってはいますが、トレーニングで何か良い練習はありますか？
ホバリングの重要性は理解しているつもりですが、ただでさえテイクオフが遅いのでホバリングをするとプラスアルファーで遅くなりスープに捕まってしまいます。
質問をいただいたのは伊良湖のトシノブさん（仮名）です。この方は「テイクオフが遅いと波に乗れない」とキメてかかっていますが、しかし実はそうではありません。はっきり言いますが、原因はテイクオフが遅いからではありません。
私のアパートの近所にコッシーさんという人がいます。ミスターテイクオフを購入いただいており、その動機となったのは彼の持つ持病（半身麻痺）のリハビリでした。なんでも若いころサーフィンで事故に遭い、首の骨を骨折してしまったのだそうです。
ミスターテイクオフの基本をマンツーマンレッスンをさせてもらい、その後いっしょに海へ向かいました。そして思ったのは、たしかにコッシーさんのテイクオフ動作はゆっくりなのですが、そのスローアクションは全くハンディになってなかったのです。しっかりと波をキャッチし、波の中腹でホバリング。そしてホバリングしながらゆっくりとテイクオフ。私はあらためてホバリングの重要性を確信したのです。
戻ってトシノブさんです。問題は「テイクオフが遅い」ことではなく、ホバリングにもちこむタイミングが悪い、そしてサーフボードの向き（進行方向）も悪いのだと推測されます。おそらくボードが波のボトムに降り切ったところでホバリングに入り、しかもボードのノーズは岸に向いているはずです。
テイクオフの鉄則は「波の中腹から上で立つ」です。したがって波のボトムでホバリングというのは全くタイミングがズレているのであり、そしてこれは典型的なサーフィン初心者といえます。
まずは波の中腹から上でホバリングに入る練習をしましょう。腰腹の小さい波の場合、ホバリングと同時にノーズを進行方向へ向けてしまいます。そうすることでホバリングのままボトムに落ちるのを回避します。
波のボトムは危険地帯。１秒以上もそこにいてはいけません。すぐボードが失速してしまいます。すぐにスープに捕まってしまいます。
- ホバリングの定義
- ホバリングとは基本的には「ボードが自力走行を始めて両手がパドリングから解放された状態」ですが、もう一歩進めて「両手をボードの上に置いた状態」というのが実用的な意味になります。
- ホバリングの重要性
- テイクオフに関しては飛ばしてはならないステップがあります。それを飛ばすからテイクオフできない．．．波に乗れないと言った方が正確。それがホバリング。
- プッシュアップ・ホバリング
- テイクオフのステップ２は．．．プッシュアップ・ホバリング。足ではなくて腕でボードの上に立っている状態ですが、これができればテイクオフはほぼ完成しています。
- スープライディングで上達する
- マサさん（東京都 ３２歳）にスープライディングの仕方を指導させていただきました。これはプッシュアップ・ホバリングの基礎練習です。
- 横方向へのテイクオフ
- なぜ真横にパドリングできるのか。テイクオフ前とテイクオフ後で変わっている点は、ライダーが腹ばいになっているか、立っているかの違いです。
- バランスボードでホバリング練習
- 「とにかく立てばいい」ではなく、サーフィンの奥深さを感じながら練習してみてください。ミスターテイクオフを使えばそれができます。
- ボードをフラットに保つ
- 波の角度に合わせようとしてはいけません。特にビギナーはそうなのですが、その意識があるからパーリングするのです。あくまでもサーフボードはフラット。
- 最初に鍛えるべきは背筋
- これまでも記事に書いているように、サーフィン初心者や初級者がパドル筋強化のために水泳やチューブ引きをやるのは逆効果です。