目指すべきサーフィンとは
これは大野マー選手が4.50ポイントを出した演技。波がかなりマッシーで割れづらく、マーでさえ5点以上を出していくのは難しいコンディションでした。こういったマッシーでパワーのない波の場合、本当のサーフィンの上手さがより明確になるのですが...
一方、これはマーと同じヒートで戦った他の選手の演技。ポイントは4点近く出ていますので、この波ならまずまずのライディングと言ってよいでしょう。しかし、これがWQS(世界)の大会だったらどうか。間違いなく、もっと低い点数になっているはずです。日本国内のジャッジ(審査員)はボードの動きを中心に見ているのに対し、海外のジャッジはフロー(サーファーとサーフボードの流れる動き)を重視します。そして、そのトータルバランスで見る審査こそが本当のサーフィンを評価しているのだと思います。このヒートにおいて、上に挙げた2選手の点差はさほど大きなものではありませんでしたが、本当の意味での「サーフィンの上手さ」には大きな違いがあります。
これは理想的なライディングにおけるサーファーの頭の位置をトレースしたものです。
そして、これは一般的な日本人プロサーファーにありがちな頭の位置のトレースです。どうしてもこのようにジグザクになってしまうのですが、それはサーフボードを振り回しているからです。そして、レールをしっかり入れたサーフィンができていないのも大きな理由としてあります。また、トレースに角(ジグザクの角)ができてしまうとサーファーの動きが止まって見えてしまいます。ボードは動いていても、サーファーの頭の動きが止まってしまうと流れ(フロー)がなくなってしまうのです。外国人ジャッジは特にこのフローを重要視していると思います。
サーフィン大会は「何をどうやって見たらいいのかわからい」という人が多いはず。細かいことは抜きにして、フローの美しさだけを見ていればいいと私は思います。
- リラックスから始める
- ビギナーはとかくボードの上で硬直するので尻が出たりガニ股になってしまいます。まずはリラックスすることから始めましょう。
- サーフィンは腰だ
- 猫背からこの腰のライン...スペシューム光線のポーズと同じでしょう。この姿勢が体重をしっかりボードに伝えるために重要なのです。
- ガニ股を矯正する
- 最終的な目標はこの姿勢です。しっかり内股をキープ。そして進行方向に体正面を向けます。
- 三次元の動き
- 現代サーフィンは三次元の動きをしますが、それは初級レベルはそろそろ卒業かなというあなた。体をなるべく正面にむける。これを意識してみてください。
- 後ろ足に加重する
- 前足加重のときにボードは加速するのですが、どっちが基本姿勢かといえば私は後ろ足加重が基本姿勢と考えます。
- 女性らしいサーフィン
- サリーのサーフィンは女性的と言いましたが、それは背中からヒップのラインが生み出すもの。そしてそれは下手すれば初心者サーファーになってしまう危険なもの。
- サーフィンを波に合わせる
- 「押してくれる波」は楽です。テイクオフに成功しさえすれば、どんどん加速していくのですから。何も考えなくていいのです。何のテクニックも使わなくても、とりあえず絵になるサーフィンができてしまいます。
- ボードの上では常に体を動かす
- テイクオフしたらあとは何にもしない、ただボードの上に立っているだけ、というサーフィンはカッコ悪いです。
- 基本姿勢と横ライディング
- 基本姿勢がしっかり身についてくれば、テイクオフから横へのライディングがとてもスムーズになっていきます。
- ボードによってスタンスの位置は変わる
- ボードの長さが同じでもアウトラインの違いによって乗り方は変わってきます。ボードによっては後ろ足がデッキパッドから外れていてもいいのです。
- レギュラーvs.グーフィー
- ベルズビーチはレギュラーオンリーのブレイクなので、ヤング(グーフィースタンス)は全ての波をバックサイドで乗りました。見ていて思ったのですが、この試合はほとんど互角。