押してくれる波 と 漕ぐ波
山口県のKENさんがビデオをアップしてくれました。先月ハワイに家族旅行されたそうです。この波はワイキキですね。とても楽しそうにサーフィンされているので、これはこれでいいと思います。しかし「サーファー」を目指すのであれば、ここからもっともっとステップアップしていかなければいけません。
ところで、波には「押してくれる波」 と 「漕ぐ波」があるの知ってますか。ワイキキの波は間違いなく「漕ぐ波」です。一方で、「押してくれる波」というのがあるのですが...
「押してくれる波」は楽です。テイクオフに成功しさえすれば、どんどん加速していくのですから。何も考えなくていいのです。何のテクニックも使わなくても、とりあえず絵になるサーフィンができてしまいます。もしKENさんが「押してくれる波」に乗っていたら、全く違うライディングになっていることでしょう。
バリの波がそうでした。どこのポイントに入っても波にパワーがあって、うしろからどんどん押してくれるのです。だからサーフィンが上手くなったかのような勘違いをする人が多いといいます。バリニーズのサーフィンはたしかに上手いのですが、あのサーフィンは「押してくれる波」があってのものだと思います。
漕ぐ波のサーフィン
昨日に引き続き、JOYさんのライディング。こちらもハワイのワイキキだそうです。KENさんと比較すると、JOYさんの方がボードが走っているかんじがします。それはJOYさんの方が、クルティカル・ポジションに近いところに両足があるからです。
クルティカル・ポジションというのは私が作ったワードですが覚えておられるでしょうか。ロングボードの場合、このクルティカル・ポジションはライディング中に常に変化します。ざっくりですが、加速するときにはノーズ側に、ボードコントロールするときはテール側にそれはあります。
「漕ぐ波」でクルティカル・ポジションを外してしまうとボードが失速し、スローモーションのサーフィンになってしまいます。ロングボードで漕ぐ(アップス&ダウンで加速する)のは特に難しいので、少なくともクルティカル・ポジションを外さないようにしなければなりません。
先日のKENさんは完全にクルティカル・ポジションを外していて、車に例えるならブレーキをかけながらの走行になっています。もう一度、動画を見てみてください。
サーフィンで「漕ぐ」いう意味
KENさんが質問をしてくださいました。
「漕ぐ波」というのは、テイクオフまでかなりパドルを必要とする波のことでしょうか。押す波は、軽いパドルでテイクオフできる波のことでしょうか。アドバイスとても参考になります。次回の動画アドバイスを楽しみにしています。
違います、そういうことではありません。わかってもらえているつもりで記事を書き進んでいましたが、どうやら説明不足だったようです。やっぱり読者の方々と意思の疎通を図りながら、インタラクティブ(双方向的)にやっていくのって大事ですね。近いうちにFacebookでEブック購入者を対象としたサークルを作りますので楽しみにしていてください。
こんにちわ。初めてメールさせて頂きます。先日、サーフィン初心者脱出プログラムとスラスター・スケボー最速上達法を購入させて頂きました。
正直に言いますと中身を見るまでは実際どうかなーって半信半疑でしたが、教材を読んで今までのイメージが変わりました。ほんとにこれならイケそうかもって思っています。まだ海で試していませんが次回のサーフィンが楽しみです。
これから、色々お世話になるかもしれませんがよろしくお願いいたします。
東京都のケイスケさんがEブックの感想とスケボー動画を送ってくれました。ありがとうございます。スケボーEブックを読んで、それを実践するのはこれが3回目ということですが、基本的なことがもうほとんど出来ています。すごいですね。著者の私としてはこれほど嬉しいことはありません。何もなかったら、普通は試行錯誤ですごい時間がかかるところです。
で、この動画で注目いただきたいのは漕いでいることです。ね、漕いでいますよね。サーフィンで「漕ぐ」というのはこういう動きのことです。「ドライブする」という表現もありますが、そこまで大きな動きではないです。
押してくれる波のサーフィン
坂口憲二が「アジア万感」でサーフトリップして有名になったインドネシアのニアス島です。この波は典型的な「押してくれる波」です。見てわかるとおり、サーファーはまったく漕いでいません。
漕いでいない...つまり、サーフボードにエンジンが付いているかのような感覚なのです。こういう波はほんとうに楽しい。日本でもリーフポイントで波が上がれば、けっこうそういったサーフィンができます。
押してくれる波での基本姿勢はテール過重です。というか、ずっとテールに重心を置いたまま。常に波がうしろから押しているので失速はしません。ボードのノーズが少し上がったくらいがちょうどいいのです。
もちろんCREは欠かせません。CREを定期的に行って波のショルダーから抜けないようにします。この動画でも、みんなそういうサーフィンをしています。ノーズが上がっているから、いつでもカットバックができます。
チューブに入るでもなく、オフザリップで大きなスプレーを上げるでもなく。 しかし、確実に楽しい波。 これこそが「ファンウェーブ」だと私は思います。
- リラックスから始める
- ビギナーはとかくボードの上で硬直するので尻が出たりガニ股になってしまいます。まずはリラックスすることから始めましょう。
- サーフィンは腰だ
- 猫背からこの腰のライン...スペシューム光線のポーズと同じでしょう。この姿勢が体重をしっかりボードに伝えるために重要なのです。
- ガニ股を矯正する
- 最終的な目標はこの姿勢です。しっかり内股をキープ。そして進行方向に体正面を向けます。
- 三次元の動き
- 現代サーフィンは三次元の動きをしますが、それは初級レベルはそろそろ卒業かなというあなた。体をなるべく正面にむける。これを意識してみてください。
- 後ろ足に加重する
- 前足加重のときにボードは加速するのですが、どっちが基本姿勢かといえば私は後ろ足加重が基本姿勢と考えます。
- 女性らしいサーフィン
- サリーのサーフィンは女性的と言いましたが、それは背中からヒップのラインが生み出すもの。そしてそれは下手すれば初心者サーファーになってしまう危険なもの。
- ボードの上では常に体を動かす
- テイクオフしたらあとは何にもしない、ただボードの上に立っているだけ、というサーフィンはカッコ悪いです。
- 基本姿勢と横ライディング
- 基本姿勢がしっかり身についてくれば、テイクオフから横へのライディングがとてもスムーズになっていきます。
- ボードによってスタンスの位置は変わる
- ボードの長さが同じでもアウトラインの違いによって乗り方は変わってきます。ボードによっては後ろ足がデッキパッドから外れていてもいいのです。
- レギュラーvs.グーフィー
- ベルズビーチはレギュラーオンリーのブレイクなので、ヤング(グーフィースタンス)は全ての波をバックサイドで乗りました。見ていて思ったのですが、この試合はほとんど互角。
- 目指すべきサーフィンとは
- 海外のジャッジはフロー(サーファーとサーフボードの流れる動き)を重視します。そして、そのトータルバランスで見る審査こそが本当のサーフィンを評価しているのだと思います。