女性らしいサーフィンとは
2010年ASP女子(ベルズビーチ)の決勝戦ハイライトです。私が大好きなカリッサですが、残念ながらサリー・フィッツギボンに負けてしまいました。
二人のサーフィンは対照的です。カリッサがとても男性的なサーフィンをするのに対して、サリーは女性的。なお、カリッサが男性的といっても優雅なサーフィンなのでけっして違和感はないのです。
これ↑はカリッサが次のアクションを狙うシーン。
そしてこれ↑がサリーの同じシーン。
注目は背中のラインでして、サリーはまるでパドリングしているときみたいに背中が反っています。カリッサと比べれば違いは明らかですね。カリッサの姿勢は男子プロとほぼ同じでパワーサーフィンのためには理想的なものです。
サリーのサーフィンは女性的と言いましたが、それは背中からヒップのラインが生み出すものです。そしてそれは下手すれば初心者サーファーになってしまう危険なものです。猫背にして腰(ヒップ)を引っ込める。これがサーフィンにおけるライディング姿勢の基本ですから、背を反って腰を突きだす姿勢は一般的には下手なサーファーでありカッコ悪いのです。
しかしサリーのサーフィンはとても力強く、しかも美しい。その理由はマニューバーだと思います。つまり、あの姿勢とサーフボードが画く曲線がみごとに合致しているのです。ただし、男子プロがあの姿勢でサーフィンしたら失笑は免れません。女子だからOKなのです。
マラソンランナー高橋尚子の走りはとっても女性的で私は好きでした。女子アスリートにしかできない姿勢、動き。それって女子が男子とは別のカテゴリーで存在するための大いなる意義です。
- リラックスから始める
- ビギナーはとかくボードの上で硬直するので尻が出たりガニ股になってしまいます。まずはリラックスすることから始めましょう。
- サーフィンは腰だ
- 猫背からこの腰のライン...スペシューム光線のポーズと同じでしょう。この姿勢が体重をしっかりボードに伝えるために重要なのです。
- ガニ股を矯正する
- 最終的な目標はこの姿勢です。しっかり内股をキープ。そして進行方向に体正面を向けます。
- 三次元の動き
- 現代サーフィンは三次元の動きをしますが、それは初級レベルはそろそろ卒業かなというあなた。体をなるべく正面にむける。これを意識してみてください。
- 後ろ足に加重する
- 前足加重のときにボードは加速するのですが、どっちが基本姿勢かといえば私は後ろ足加重が基本姿勢と考えます。
- サーフィンを波に合わせる
- 「押してくれる波」は楽です。テイクオフに成功しさえすれば、どんどん加速していくのですから。何も考えなくていいのです。何のテクニックも使わなくても、とりあえず絵になるサーフィンができてしまいます。
- ボードの上では常に体を動かす
- テイクオフしたらあとは何にもしない、ただボードの上に立っているだけ、というサーフィンはカッコ悪いです。
- 基本姿勢と横ライディング
- 基本姿勢がしっかり身についてくれば、テイクオフから横へのライディングがとてもスムーズになっていきます。
- ボードによってスタンスの位置は変わる
- ボードの長さが同じでもアウトラインの違いによって乗り方は変わってきます。ボードによっては後ろ足がデッキパッドから外れていてもいいのです。
- レギュラーvs.グーフィー
- ベルズビーチはレギュラーオンリーのブレイクなので、ヤング(グーフィースタンス)は全ての波をバックサイドで乗りました。見ていて思ったのですが、この試合はほとんど互角。
- 目指すべきサーフィンとは
- 海外のジャッジはフロー(サーファーとサーフボードの流れる動き)を重視します。そして、そのトータルバランスで見る審査こそが本当のサーフィンを評価しているのだと思います。