ひ弱な体格
和男はひ弱な体格ではあるが子供のころから身長はクラスの中でいつも一番高い方だったので、身長がものをいうスポーツはそこそこできた。といってもそれはほんの遊びレベルにすぎなかった。高校のときには背の高い選手を探していたバレーボール部の監督に勧誘されて何も考えずに入部した。
しかし、結局は1年ももたなかった。入部してすぐに他校との練習試合に先発起用されたが、緊張してガチガチになってサーブがとんでもない方向に飛んでいった。それですぐに選手交代となった。その後とんと試合に起用されないので、和男は監督が自分に見切りをつけたと思うようになった。
そもそも部活動というものに和男は馴染めなかった。部活動、というよりも団体行動が苦手だった。試合に出ていない補欠の選手、といっても和男の他にはあと一人しかいなかったが、その彼はいつも声がかれるほどの応援でチームを盛り上げていた。だからこそ一層のこと和男の白けっぷりが浮いてしまうのだ。
自分では声を出そうと思うのだが、そうしなければいけないという強迫観念が体の中で増幅してしまってついには脳からの指令が手足に届かなかった。まるで幽体離脱しているかのような錯覚に陥ってしまい、団体行動のときには多かれ少なかれ、そのように俯瞰で自分を見ていた。そうしなければその場をしのぐことができないので、おそらくは防御本能が自動的に働いたのだろう。
つづく...(この小説はフィクションです)
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