断崖絶壁からテイクオフするために
「掘れた波に乗るにはどうすればいいのでしょう。」というのはサーフィン初心者に最も多い質問です。実際この私も機会があるごとに「掘れた波に乗る方法は?」と聞いていたものです。
それにはまず、断崖絶壁からのテイクオフについて考えてみる必要がありそうです。私は以前、そういう状況になると思ったものです。ここでビビって行けないのは度胸がないせいなのか...行けばなんとかなるのか...と。
しかし今思えば、そういう問題ではなかったのです。ビビってしまう原因はなんでしょう。1つは”高いところ”の恐怖心です。あと、もう1つあると思います。それは...「立てない」という感覚。前者は”慣れ”で克服できますが、後者は”慣れ”では克服できません。
絶対に立てる
という確信がないとダメなのです。では、どうなればその確信が持てるのか...その答えはホバリングです。板が確実に走っていれば、どんな断崖絶壁であっても「立てる」という確信が持てます。しかしビギナーにはよくわからないのです。自分の板が走っているのかどうか...いや、それを意識する余裕すらない。
あっという間に波のてっぺんまで持ち上げられ、「うわ、こわっ!」と思う。下を見ると断崖絶壁で、無理に行くと奈落の底に落ちてしまいそう。そうなってしまったら、もう手おくれです。そして、やっぱり掘れた波は難しいと痛感する。
ホバリングの習得は本当に重要です。サーフィンの肝(きも)であり、掘れた波を攻略するときもそうです。ホバリングに入ったらボードはしっかりと波のフェイスでホールドされていますから、「立てる」という確信が持てるのです。
- テイクオフ・マージン
- 「テイクオフ・マージン」とは何か。それは自分が今まさに乗ろうとしている波が、テイクオフのための余裕をどれだけ持っているかということです。
- パーリング覚悟のテイクオフ
- パーリング覚悟でいってみるのは確かにいいことです。それによって自分の限界を知り、弱点を見つけ、改善を図ることができるからです。
- ボードをフラットに保つ
- 上手なサーファーのテイクオフを注意深く観察してください。どんなに掘れた波であっても、ホバリングのときボードはほとんどフラット(微妙にノーズ下がり)です。
- 掘れた波は腕で立つ
- 両腕で立つには絶対に欠かせない秘訣があります。それを完全に習得できたとき、掘れた波への恐怖心はなくなります。そしてこんどは掘れた波を求め始めることでしょう。
- パイプラインを分析する
- パイプラインの波をメイクした選手のテイクオフシーン。まさしくE難度のテイクオフ。このパラパラ動画には彼の超絶テクニックが詰まっています。
- ノーズが落ちていく感覚をつかむ
- 掘れた波では両足を引きこんでボードに乗せた瞬間、ノーズがパッタ〜ンと落ちています。この「ノーズがパッタ〜ンと落ちる」という感覚。それを知っている人は初心者脱出しています。
- 掘れた波で確実にテイクオフする方法
- 「サイズがあって掘れている波では立てない」のではなく、「サイズがあって掘れている波ではホバリングできない」というのが事の真相です。
- トッププロのパーリング
- 世界のトッププロでもパーリングはします。しかし、さすがは世界のトッププロ。パーリングといえば頭から突っ込むのがお約束ですが、そうはなりません。
- 掘れた波でもゆっくり立つ
- クラマス大会でチューブ波にテイクオフするジャック・ロビンソン。どうですか、この余裕のテイクオフ。ドカッ掘れの波でもこんなふうにゆったりとテイクオフできてしまうのです。
- 最後はここで決まる
- 究極のテイクオフができるかどうかはこの瞬間にかかっていて、この瞬間に一般のサーファーは耐えることができません。
- 前足の位置を変えてみる
- ケリーは意識して前足の位置をズラしているのであり、これによって垂直落下のあとの鋭角ボトムターンに成功しています。