トッププロのパーリング
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世界のトッププロでもパーリングはします。しかし、さすがは世界のトッププロ。パーリングといえば頭から突っ込むのがお約束ですが、そうはなりません。だから正確にはパーリング(真珠取り)ではありません。なぜ、世界のトップ選手でもパーリングしてしまうのか。そして、なぜ頭から突っ込まないのか。
WTポルトガル大会の決勝でジュリアン・ウィルソンがやってしまったパーリング。このシークエンスでは波にテールをめくられてボードがほぼ垂直になっているのがわかります。これではさすがの世界トッププロといえどもテイクオフすることができません。
どうしてこうなってしまったかといえば、要するにホバリングできなかったからです。ホバリングしていないから波にテールをめくられるわけで、つまり、どんなにクイックなテイクオフであってもホバリングなしにはテイクオフできないのです。
サーフボードの傾斜にすばやく対応する
私が習ったサーフィンスクールではテイクオフのとき腰の横に手をつくように教わりましたが、はらさんの解説では胸の辺りに手をついているように見えます。しかしそれでは実際の海でパーリングしやすいのですが、どうしてでしょうか。また、これまでテイクオフ動作は、
1、パドリングから板に手をつく
2、立ち上がる
って感じでしたが、ミスターテイクオフを使ったやり方ですと、
1、パドリングから板に手をつく
2、ホバリング
3、立ち上がる
って感じで、ワンステップ遅れてしまいます。どこか間違っているのでしょうか。
大変重要なポイントについてご質問をいただきました。これは私の推測ですが、この方はおそらくテイクオフのときに上体の軸が寝ていると思います。背中が硬い人は軸が寝やすいのですが、軸を起こせない人は波の巻き上げによるサーフボードの傾斜に対応できないので手をつく位置のズレが命取りになります。
とはいえ、そういう方であってもミスターテイクオフで繰り返し練習することによって徐々に改善していきます。このとき絶対に欠かせないのはスライドアップです。スライドアップしたときに手が腰の横にくるようにすれば楽に立つことができるのです(最初から腰の横に手を置くやり方にはかなり無理があると私は考えます)。
1、パドリングから板に手をつく
2、立ち上がる
これをさらに分解すると
↓
1、パドリングから板に手をつく
2、ホバリング
3、立ち上がる
になるわけであり、ホバリングという工程が増えるわけではないのです。冒頭に戻りますが、ジュリアンが失敗したのはホバリングという工程が抜けてしまったからです。私のモットーは、「サーフィンはテイクオフが全て」です。これをもっと付き詰めると、「サーフィンはホバリングが全て」ということになります。
人間なんて自然の前には全くの無力
サーフィンEブックでは、なぜパーリングしてしまうのかを解説しています。原因を知ることがまずは大事でして、それによって対策も理解しやすくなります。しかし、どんなに上手いサーファーでもパーリングしてしまうことがあります。
そして、しょせん人間なんて自然の前には全くの無力なんです。私たちのようなサーフィン愛好家は小さな波にしか乗れず、世界のトッププロはどんな波にも乗れるといった思いこみがありますが、それは間違いです。トッププロが乗っている波ですら、自然界が作り出す波の中のほんの一部にすぎないのですから。
- 断崖絶壁からテイクオフする
- サーフィン初心者、初級者が短期間でみるみる上達するサーフィンの極意をここに公開いたします。誰も言わない、誰も書かないサーフィンの理論は必見です。
- テイクオフ・マージン
- 「テイクオフ・マージン」とは何か。それは自分が今まさに乗ろうとしている波が、テイクオフのための余裕をどれだけ持っているかということです。
- パーリング覚悟のテイクオフ
- パーリング覚悟でいってみるのは確かにいいことです。それによって自分の限界を知り、弱点を見つけ、改善を図ることができるからです。
- ボードをフラットに保つ
- 上手なサーファーのテイクオフを注意深く観察してください。どんなに掘れた波であっても、ホバリングのときボードはほとんどフラット(微妙にノーズ下がり)です。
- 掘れた波は腕で立つ
- 両腕で立つには絶対に欠かせない秘訣があります。それを完全に習得できたとき、掘れた波への恐怖心はなくなります。そしてこんどは掘れた波を求め始めることでしょう。
- パイプラインを分析する
- パイプラインの波をメイクした選手のテイクオフシーン。まさしくE難度のテイクオフ。このパラパラ動画には彼の超絶テクニックが詰まっています。
- ノーズが落ちていく感覚をつかむ
- 掘れた波では両足を引きこんでボードに乗せた瞬間、ノーズがパッタ〜ンと落ちています。この「ノーズがパッタ〜ンと落ちる」という感覚。それを知っている人は初心者脱出しています。
- 掘れた波で確実にテイクオフする方法
- 「サイズがあって掘れている波では立てない」のではなく、「サイズがあって掘れている波ではホバリングできない」というのが事の真相です。
- 掘れた波でもゆっくり立つ
- クラマス大会でチューブ波にテイクオフするジャック・ロビンソン。どうですか、この余裕のテイクオフ。ドカッ掘れの波でもこんなふうにゆったりとテイクオフできてしまうのです。
- 最後はここで決まる
- 究極のテイクオフができるかどうかはこの瞬間にかかっていて、この瞬間に一般のサーファーは耐えることができません。
- 前足の位置を変えてみる
- ケリーは意識して前足の位置をズラしているのであり、これによって垂直落下のあとの鋭角ボトムターンに成功しています。