チューブライディング合戦では10点満点が出やすい
2015年のWCT第7戦、タヒチ(チョープー)大会はジェレミー・フローレス(フランス)の優勝で幕を閉じました。彼はつい数か月前にインドネシアの島で頭部に大けがを負い、今シーズンは絶望とも報道されていた選手です。ただでさえダークホースな選手だけに、この優勝は誰も予想できない結果でした。
これがファイナルのポイントですが、ジェレミーの勝因はヒートスタート直後にいきなり10点満点に近いポイントを出すことができたことです。それにより試合を優位に運ぶことができました。今回は例年にない小波コンディションで波数も少なかったです。なので、先に高いポイントを出した選手が圧倒的に有利になるのです。
WCT第5戦のフィジー大会ではオーウェン・ライトが10点満点を同じヒートで2回も叩きだして優勝しました。チョープーやフィジーのような綺麗なチューブ波では満点がとても出やすいです。それはもちろん技術があってのことですが、波運というのも大きな要素になってきます。サーフィンは波運で勝敗がきまることがよくあるスポーツです。それがチューブ波の場合は、特にその傾向が高くなります。
地獄の経験から一転して今は天国のような幸せを味わっているジェレミー。人生は諦めないことが大事ということを、しみじみ思った大会でした。
コンテンツ
- チューブ波をメイクする
- チューブライディングはサーフィンで究極の技だと思っている方、いらっしゃることでしょう。たしかにそうなのですが、波のコンディションしだいでその難易度は大きく変わってきます。
- 小さなチューブ 〜 犬小屋のドア
- 小さなチューブ波は日本のビーチでもよく遭遇するのですが、これに入るのは簡単そうで難しいです。ギロチンダンパーぎみの波でよく発生しますから。
- バレルイン
- バレル=barrel は「樽(たる)」という意味でして、波が樽のような形になることからそう呼ばれるのだと思います。
- なぜ究極の技なのか
- チューブライディングはサーフィンにおける究極の技とされていますが、「気がついたらチューブに入っていた」というふうに一般サーファーでも意外と簡単にできてしまうこともあります。
- チューブライドで最も重要なこと
- ガブリエルがどんなに長いチューブを抜けても、10点満点はありませんでした。どうしてでしょう。
- ストールで波が掘れるのを待つ
- テールに思い切り体重をかけてボードを失速させることをストールといいますが、このストールは半端ないですね。
- プルイン と プルアウト
- 「プルアウト」は乗った波から抜け出ることですので、「プルイン」は波に乗り始めることのように思ってしまいますが、正解は「チューブに入る」ことなんですね。
- フォームボール
- チューブのより深いところに居つづけるには、このフォームボールにいかに上手く対処するかがカギになるみたいです。
- チューブライドのテイクオフ
- チューブライディングをするには、まずはプルインできないと始まりません。これが難しいのです。そしてそれはテイクオフで決まります。