危険度が増すエアーリアル
WCTバリ・クラマス大会でジョンジョン・フローレンスがやったパーフェクト10のエアーリアルです。空中で360度の輪を描く技(アリウープ)なのですが、これほど高く飛んだのは初めて見ました。ジョンジョンはこの大会の1か月ほど前にエアーの練習で右足首にヒビが入るアクシデントに見舞われたにもかかわらず...
性懲りもなくビッグエアーを平気な顔でやってのけるとは、まったくもって化け物としか言いようがありません。エアーリアルの採点基準は間違いなく昨年後半あたりから厳しくなってきており、普通に飛んだくらいでは高得点は出なくなってきました。なので、エアーをやるならジャッジが目を見開くほどのやつが求められるのです。
しかし、サーフィンのエアーリアルは高く飛べば飛ぶほど危険度が増します。それはスケボーやスノボーでも同じように思えますが、それがけっこう違うのです。スケボーやスノボーでは斜面が動きませんよね。それに対してサーフィンの場合には斜面、つまり波のフェイスは動いているし常に変化しています。
スケボーやスノボーでは高く飛んで失敗しても、プロや上級者であれば着地する場所を間違うことはまずありません。ここでいう着地すべき場所というのが斜面の上。落下しても斜面が衝撃を和らげてくれるから大事には至りません。
一方でサーフィンの場合、プロでも落ちる場所を運にまかせているケースが少なくありません。高く飛んで落ちたところがボトムのフラットな場所だったらとても危険です。普通に海面に落ちるだけなら何てことありませんが、ボードの上に落ちるのですからね。少しでも態勢が崩れていたら大怪我につながります。
高橋健人プロの最新インタビュー動画です。後半ではエアーに失敗してお尻にノーズが刺さった話をしていますが、想像しただけでゾッとします。あと、アベノミクスを知らないってのはプロサーファーならではです。
- エアリアル(エアー)
- サーフィンの空中技はスキーやスノーボードとは基本的に別物です。なぜかといえば、波は動いているから。飛び出したところに戻っても、それはただのプルアウトなのです。
- 未来のサーフィン
- 世界のサーフィンが目指しているところはXゲーム。他の競技と遜色ない演技ができるようになったとき、サーフィンは初めてメジャーなスポーツとなるのでしょう。
- 世界レベルのサーファーがやっていること
- ある雑誌ではジョーディ・スミスやサリー・フィッツギボンがレッドブル主催のキャンプで猛練習している写真が公開されていました
- ブラジリアンのエアリアル
- フィリペのサーフィンはとにかくラディカル(よく動く)。ガブリエルをもっと活性化させたかんじです。ガブリエルといえばエアリアルですが、フィリペのエアーはもっとすごい。
- エアーリアルはいつかできる?
- ボードと体を空中に飛ばした人がいます。もしかしてエアリアルのつもり? そうなのかもしれませんが、客観的には単にボードと体が宙に舞っただけです。
- 女子のエアリアル
- ここ数年における女子の進化には驚くばかりですが、こうも早くエアーをマスターしてくるとは思いもしませんでした。
- エアーよりも重要なこと
- 日本人のプロも、こぞってエアーの練習をしています。「これからは飛ばないと勝てない」という焦りを感じているのでしょうか。
- エアーでは高さが評価される
- 観衆が思うほどエアーの回転は点数に反映されないものです。それがわかっていれば、裕次郎のエアーがなぜ6点ぽっちだったのかが納得いきます。
- オニー・アンワーのステップバック
- 飛ぶためのボトムターン直前でスタンスを目いっぱい広げています。後ろ足は(たぶん)デッキパッドのストッパーにかかっています。