大きな波の恐怖を克服するために
波のサイズが上がると乗れなくなるのはどうしてでしょう。ビーチブレイクで腰〜腹くらいまでならいいのですが、胸サイズを超えてくるといきなり状況が一変するはずです。波のサイズが上がると初級レベルのサーファーはいきなり波に乗れなくなってしまうのですが、その一番の原因は...
沖に出すぎるから
だと思います。つまり適正なエリアで波待ちできないのです。なぜ沖に出すぎてしまうのかといえば、それは無意識のうちに危険を回避しているから。危険とは波に巻かれてしまうことなのですが、大きなセットが迫ってくると「あの波は自分の目の前で割れるのではないか」という恐怖を感じるわけです。そこで待っていればいいのに沖に向かってパドリングしてしまう。そうするとそこでは波に乗れないので元の位置に戻ってみるものの...また大きなセットがやってきて沖へとパドルアウトしてしまう。この繰り返しです。
どうしたらこれを克服できるのか。人に聞いても「慣れだよ」と言われるのが落ち。私はサーフィン上達法において「慣れ」とか「経験」という言葉は大嫌いです。こういう言葉を使うのがサーフィンでは当然のことになっていて、「いつかは自分もサーフィン初心者に向かってそう言ってやりたい」みたいな風潮すらあります。そんな風潮を根絶やしにしたいというのが私の将来的な目標です。
で、どうすればいいのか。その対策はドルフィンスルーの完全習得です。ドルフィンスルーに自信がついてくるにつれ、大きなセットが迫ってくるのが怖くなくなってきます。沖に逃げずに、いざとなったらドルフィンスルーで危険回避。最後の手段としてのドルフィンスルーなのです。
- ここ一発のドルフィンスルー
- どれだけ波のサイズがあがっても、ゲティングアウトで危険なポイントは一か所だけ。それはずばり、ブレイク直後のスープです。
- ドルフィンスルーで筋肉痛
- ドルフィンスルーを連発した日の翌日には首が筋肉痛になることがあります。そうです、首です。
- ドルフィンスルーの回数
- ドルフィン10回を超えてもブレイクポイントを抜けられないのなら、自分にはまだそのコンディションは無理なのだと諦めた方がいいと思います。
- ドルフィンスルーのキック
- サーフボードをコントロールしているようにも思えますが、体を支えているようにも思えます。ただ、私の個人的感想としては「サーフボードのコントロール」です。
- 簡易型ドルフィンスルー
- 要領は基本的には正式なドルフィンスルーと同じです。水中姿勢は、つま先がテールについているかヒザがついているかの違いだけ。
- ドルフィンスルーは持久力だ
- ドルフィンスルーは持久力勝負。それがビギナーと上級者で決定的に違うところです。裏を返せば、それだけの違い。
- 大きな波に対応する方法
- アヒルはいきなり真下に潜ります。サーファーもそれと同じように真下に潜りましょう。けっしてイルカではダメです。
- 3歩進んで2歩下がる
- 初級者と上級者との違いは、その後退する距離にあります。初級者は2歩進んで3歩下がりますが、上級者は3歩進んで1歩下がる。
- 浮上するときも注意が必要
- 理想的なドルフィンスルーでは、この図のようにサーフボードが水平になる瞬間が必要です。「瞬間」と書きましたが、「一瞬」という意味ではなくて「一定時間」です。
- ドルフィンスルーはどこを握る?
- 一般的にはドルフィンスルーのときにはノーズ付近を握るイメージがあるかと思いますが、それは間違っています。つまり、その場所というのはテイクオフのときに手をつく位置と同じです。