バタ足+パドリングは速いのか
女子WCT最終戦でのサリー・フィッツギボンズ。パドリングのシーンですが、猛烈なバタ足を使っていました。
サーフィンでバタ足というとテイクオフのとき鬼パドルと同時に行うのが普通ですが、沖に向かうパドルアウトでバタ足を見たのは初めてだったので驚きました。そもそもサーフボードの推進力としてバタ足に意味があるのか...
サーフィンスクールでは、逆にスピードが落ちるので「バタ足はしない方がいい」とさえ言うインストラクターがいるほどです。これについては未だにはっきりした答えがでていないのですが、少なくともテイクオフのときのバタ足には効果があるというのが正解でしょう。なぜなら、一流のプロでもやっていることですから。
では、テイクオフのときの瞬間的なスピードアップとしてではない、一定の距離を移動するパドリングにおいてバタ足は意味あるのでしょうか。考えてみてください。テイクオフのときというのは波が背後から盛り上がってきているので両足が水中にすっぽり入っているわけです。なのでバタ足はとてもやりやすいし、それによって速くなっている感じがするのです。
普通にパドリングしているときは両足は水面すれすれ、水面に触れるとそれが抵抗になるので、できれば完全に浮かせるのが理想。サーフィン初心者やビギナーのパドリングが遅くなってしまう原因の一つが、これができないことによるものです。
普通にパドリングしているとき、バタ足できると思いますか。ロングボードでは絶対に無理ですね。ボディボードでバタ足(ビーティング)できるのは下半身が水に入っているからであって、そうでないサーフィン(サーフボード)ではなかり無理があります。
というわけで、この私が検証してみました。
パドリングが一番速い方法は何か
普通のパドリング、足ヒレを付けてのパドリング、ショートSUPでの二―パドル、ショートSUPでのスタンドアップパドル。それぞれでタイムを計ってみました。距離は約40mでして、これは足ヒレを付けてのパドリングはこの距離が限界だったからです(笑)。私がボディボーダーだったら余裕でもっといけたでしょう。
左上からスタートしてますが、小さいのでわかりづらいです。このときロングボーダーが数名いて、何やってんの?という視線が痛かったです。で、結果を考察してみますと...
@普通のパドリング 31.2秒
A足ヒレを付けてのパドリング 26.2秒
BショートSUPでの二―パドル 19.0秒
CショートSUPでのスタンドアップパドル 26.2秒
どれも体力の70パーセントくらいでやってみました。もし全力でやったら無酸素運動となってしまって実際の競技の参考にならないからです。結果としてBが圧倒的に速くて、これは想像をはるかに超えていました。やっている最中の感覚としてはそんなにスピードがでているようには思えないからです。でもこうやって比較してみると、とても速いことがわかります。これだからウネリからでも強引にテイクオフできるわけです。
AとCは同じタイムですが、Cはクネクネと蛇行しながらだったので距離が長くなってしまいました。今のところ立つだけでも難しいのでこれで良しとしておきます。Aもボディボーダーであればもっと速いはずです。腕と足を動かすのは、とにかく疲れます。
最も注目すべきは@とAのタイム差です。こんなに差がでるものなんですね。足ヒレ無しのバタ足の結果が一番ほしいところですが、上手くできなかったので断念しました。これを上手くやるには両足を広げて、しかもそれが抵抗にならないようにバタ足する技術が必用です。サリーはこれをマスターしているものと思われます。
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