パドリングの基本姿勢
サーフィンにおいてパドリングとは野球やサッカーで歩いたり走ったりするのと同じなのです。要するにパドリングできなければサーフィンはできないわけです。潮の流れがあるときなんか海にいる時間の90パーセント以上がパドリングということもあります。なので、疲れなくて効率のよいパドリングの方法をきっちりマスターしなければいけません。
サーフボードの上に腹ばいになって体を反らし、おなかでバランスを取ります。このときサーフボードのノーズが少し水面から出ている状態になります。細かいことを言えば、パドリングのときサーフボードは微妙にテール下がりになっているのが理想です。完全にフラットだとボードが揺れて瞬間的にノーズ下がりになったときに体とボードが離れてしまうからです。それでは推進力をボードに伝えることができません。ただし、初心者ビギナーの場合はどうしてもテール下がりになりすぎるので気をつけてください。
パドリングで使うのは腕の筋肉(上腕三頭筋など)だけではありません。背中の筋肉(僧帽筋や広背筋)やお尻(大殿筋)、太もも(大腿筋)までを使う事により持久力に優れて瞬発力のあるパドリングが出来るのです。初心者やビギナーはどうしても胸がサーフボードにべったりと付いてしまうので、腕だけを使うパドリングですぐに疲労してしまいます。背中やお尻や太ももまでを総動員するためにも絶対に意識してやらねばいけないことが「胸を大きく反らせる」ことです。
あくまでパドリングは慣れとコツです。パワーや体力まかせでやってしまうと体力を無駄に消耗するだけです。まだ小学校にも上がらない幼児サーファーが、かるがるとパドリングしてすいすい沖に出て行くのを見かけることがあります。あれを見たら、大の大人が「俺は体力ないからサーフィンは無理だ」なんて言えなくなりますよ。
モーションキャプチャーで動きを研究するなんてすごいです。しかしよく見ると、リカバリー(腕を前に運ぶ動き)で手が完全に水に接触しています。もっとヒジを高く上げなければいけませんが、そうすると腕が疲れてしまいます。ビギナーのほとんどはそれでパドリンングが長くもちません。
頭を立てて両足を閉じる
人は頭を垂直に立てた状態でバランス感覚を最大限に発揮できます。それはパドリングのときも同じであり、頭が傾いていると体全体のバランスをとりづらいものです。胸をべっとりボードにつけてしまうと、どうしても頭が下がってしまいます。
次に両足に関してですが、私が「両足は閉じよ」とアドバイスするのは抵抗を減らすためです。中級レベル以上になれば両足を開いてもいいのでしょうが、とかくサーフィン初心者が足を開くとそれは失速を招くのです。どうしてか? 足が水中に落ちるからです。パドリング中は手と前腕以外は水につけてはいけません。たとえ足の指の先っぽであろうが、それらは確実に抵抗になります。
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世界チャンピオンのパドリング
下の画像はドローンが上空からとらえた世界チャンピオンのパドリングですが、誰だかわかりますか。
はい、答えは昨年の南アフリカ(J・ベイ)で大会中にサメに襲われてワイドショーでも報道されたミック・ファニングです。注目してもらいたいのは両足でして、左右を重ねているのが確認できると思います。
あのときの恐怖体験が体の一部を水中に入れるのをイヤにしている???...というのは考えすぎでしょう。パドリングのときに両足が水面に触れて抵抗になり、スピードをロスしてしまうのを極力回避しているに違いありません。
両足を広げるとボードが安定するので初心者サーファーにはお勧めですが、最終的にはミックのような姿勢でパドリングできるようになりましょう。
- サーフィン都市伝説を考察する
- ドジ先生がここ数年「サーフィン都市伝説」と呼んでいることが70年代の本にも書いてあったのです。それを見つけたとき、私はほんとに驚きました。
- 水泳でパドリング強化
- パドリング強化のため、プールで50メートルのインターバルを毎日20本。実際にこれを継続してできるのであればかなりの効果はでるでしょう。
- チューブ引きの落とし穴
- 腕の筋肉を鍛えるのは有効です。パドリングとは腕で水を掻くことですから当然です。しかし、チューブ引きをしたところで目に見える効果は得られません。
- パドリングで意思表示
- パドリングを誰よりも先に開始することで、「この波には自分が乗ります」ということを周りにアピールできるのです。
- パドリングが楽になる
- 個人差がありますが、大人になってからの改善は困難です。大事なことは、大きく体を反らす努力ではなく、超時間キープできるようになることです。
- クイックな方向転換
- パドリングにおける方向転換もその原理はボトムターンと同じ。テール加重にしてボードを傾けます。このとき大事なのは推進力。
- パドリングを進化させる
- 鬼パドルのときは反射的にストレートプルになってしまいますが、これが通常のパドリングでも有効でしょうか。
- ニーパドルの仕方
- コツは完全に正座してしまわないこと。つまり、モモとお尻はくっつけないのです。握りこぶし一つ分離しておいて、その部分でボードの揺れを吸収します。
- 右旋回と左旋回
- 波のピークが向かって左からやってくるとき、ノーズを左に向けていればそのまま発進すればいい。そして左旋回して波をキャッチします。
- パドリングの筋トレを楽しく
- 私は毎日サーフィンができますが、それでもミスターテイクオフのトレーニングをさぼるときまってサーフィンの調子が悪くなってしまいます。
- パドリングで波のピークを捕まえる
- 積極的に波を追いかけ、バックサイドにテイクオフしていくアプローチを試していくことがマンネリサーフィン打開のために必要です。